フルサイズならではの画質は欲しい。でも、フルサイズ機が入る大きなカメラバッグを持ち歩きたくない――そんな人のために作られたのがSigma FP2です。コンパクトなミラーレスボディに、24.5MPセンサー、6Kオープンゲート動画、70GBの内蔵ストレージを搭載。多くのハイアマチュア向けカメラよりも小さなボディに、かなり本格的な機能を詰め込んでいます。この記事では、Sigma FP2の得意分野や割り切られた部分、ぜひ検討してほしい人、逆に見送ったほうがいい人を詳しくチェックします。
Sigma FP2は、シグマのfpシリーズにおける第2世代の超小型フルサイズミラーレスカメラです。初代fpの後継モデルにあたり、シグマは「世界最小のフルサイズレンズ交換式カメラ」と位置づけています。設計思想の中心にあるのはモジュラー構造。ボディ単体でカメラとして完結しながら、必要に応じてグリップ、ビューファインダー、ホットシューなどを追加できます。製造は日本のシグマ会津工場で行われています。
静止画と動画を明確に切り替えられるSTILL/CINEスイッチを備えたハイブリッドカメラでもあります。モードごとにインターフェースとワークフローが分かれているため、撮影スタイルに合わせて使いやすいのがポイントです。小さなボディでフルサイズ画質を楽しみたい旅行・ストリートフォトグラファーや、編集時のリフレーミングに便利な6Kオープンゲート撮影を求める動画ユーザーに適しています。一方、ボディ内手ブレ補正、フラッシュ撮影用のメカニカルシャッター、内蔵ビューファインダーやホットシューが必要な人には向きません。こうしたトレードオフを詳しく見ていきましょう。
最大の注目点は、24.5MPの部分積層型フルサイズセンサーです。完全積層型センサーほどコストをかけずに、読み出し速度を高めた設計になっています。動画は圧縮フォーマットで最大60fpsの6Kオープンゲートに対応し、ProRes RAWでは最大6K 29.97fpsで記録できます。70GBの内蔵ストレージも、実際の撮影で頼りになる機能です。カードがいっぱいになったときのバッファやバックアップとして使えますが、RAW動画を記録できるほどの速度はありません。そのほか、3.2インチチルト式タッチスクリーン、180枚のRAWバッファに対応する20fps連写、鳥認識AF、オプションのHU-21ホットシューと対応Panasonic XLRアダプターを組み合わせた32bitフロート音声などを搭載しています。
ボディはグリップのない長方形の「レンガ型」で、初代fpよりわずかに小型化されています。シグマは人工皮革仕上げを廃止し、ロゴ表記も大文字の「FP」に変更しました。チルト式モニターは操作性を大きく改善した部分です。モニターをボディから引き出すと、パッシブ冷却に役立つ放熱フィンが現れます。防塵・防滴にも配慮されており、レビューではボタンやダイヤルの操作感も洗練され、しっかりしていると評価されています。ただし、PetaPixelは「頑丈だが快適ではない」と評しており、小さなボタンはやや操作しづらく感じることがあります。大きなレンズを使うなら、オプションのHG-11ハンドグリップはほぼ必須でしょう。Amateur Photographerは、EVF-21を装着するとカメラが「非常に扱いにくい形」になり、バッグにも収めづらいと指摘しています。左目でファインダーを覗く人は、鼻がAFエリアをリセットしてしまう可能性もあります。
画質は明確な強みです。Digital Camera Worldの実写レビューは「優れた画質」と「本当に印象的な動画性能」と評価し、PetaPixelもFP2を「真のハイブリッドカメラ」と呼んでいます。AFも大幅に改善され、位相差検出用の画素が画面全体をカバー。被写体認識には新たに鳥が加わりました。Amateur PhotographerはAFを「大幅に改善」と評価し、PetaPixelも静止画AFを明確な長所として挙げています。ただし、あるレビューでは短所として「動画AFの問題」が指摘されており、動画での連続追従は最上位の競合機に及ばない可能性があります。
メカニカルシャッターを搭載していないため、性能面で大きな話題となるのがローリングシャッターです。DPReviewは読み出し速度を約1/50秒と推定しており、初代fpの最速12bitモードの約2倍にあたります。初代fpと並べてテストしたChristopher Frostは、FP2が「その問題を大きく引き離している」と評価。一方で、「非常に速いパンでは垂直線にわずかな傾きがまだ出る」とも述べています。1/50秒の読み出しはメカニカルシャッターより遅いため、フラッシュ同調速度も1/50秒に制限されます。静止画では電子シャッターが1/25,600秒に達し、明るい場所で大口径レンズを使う際に便利です。もうひとつの制限は発熱です。CAMEOTAが紹介したテストでは、6Kオープンゲートはシャットダウンまで約90分動作した一方、4K/60pは約33分で過熱停止しました。PetaPixelも「高フレームレートでカメラが過熱する」点を短所に挙げています。アクティブ冷却ファンはないため、高フレームレートで撮影する場合は休憩を挟む前提で考えたほうがいいでしょう。
| 仕様 | 詳細 |
|---|---|
| センサー | 35mmフルサイズ(35.9 × 23.9 mm)部分積層型CMOS、有効24.5MP |
| ISO感度 | 静止画の基準320/2500、設定可能100–102,400、拡張6–50;Log/RAWの基準1250/10,000 |
| オートフォーカス | 位相差検出+コントラスト検出;人物、犬、猫、鳥の被写体認識 |
| シャッター | 電子シャッターのみ;30秒–1/25,600秒;フラッシュ同調1/50秒 |
| 連続撮影 | 最大20fps;バッファはJPEG 200枚またはDNG 180枚 |
| 動画 | 圧縮方式で最大60fpsの6Kオープンゲート;ProRes RAWは最大6K 29.97fps;4Kは全幅で最大60fps、クロップで100/120fps |
| 音声 | リニアPCM 4ch 96kHz/24bit;オプションのHU-21とPanasonicアダプター使用時は32bitフロート |
| ストレージ | 内蔵70GB;SDXC UHS-II;USB SSD |
| ディスプレイ | 3.2インチ、約2.1Mドットのチルト式タッチスクリーン、上90°/下45° |
| ビューファインダー | オプションのEVF-21、5.76MドットOLED、0.88× |
| 端子 | フルサイズHDMI Type A;USB-C 2.0;USB-C 3.2 Gen 2;3.5mmマイク;ヘッドホン端子なし |
| ワイヤレス | 公式仕様にはWi-FiまたはBluetoothの記載なし(一部販売店の記載とは異なる) |
| バッテリー | BP-91;CIPA基準で静止画約370枚または動画130分 |
| サイズ | 112.8 × 69.9 × 41.8 mm |
| 重量 | バッテリーとカード込みで約460g;ボディのみ376g |
| 防塵・防滴 | 防塵・防滴 |
| レンズマウント | Lマウント |
仕様のなかでも、Wi-FiとBluetoothについては注意が必要です。シグマの公式仕様にはどちらも記載されておらず、実機レビューでも非搭載であることが確認されています。一部の販売店ページでは搭載と記載されていますが、複数の情報を総合すると、転送は有線のみと考えるのが妥当です。ワイヤレステザー撮影やスマートフォンへの共有を重視する人にとっては、無視できない制約になります。
モジュラー設計は、FP2の個性そのものです。純正アクセサリーには、EVF-21電子ビューファインダー、HU-21ホットシュー、HG-11ハンドグリップ、LVF-21 LCDビューファインダーフード、BPL-21ベースプレート、CN-91 DCコネクターがあります。EVF-21はUSB-C経由で接続し、5.76MドットOLEDパネルと0.88×倍率を追加します。HU-21を装着するとフラッシュ用ホットシューが使えるようになり、PanasonicのDMW-XLR2およびDMW-DMS1と組み合わせることで32bitフロート音声にも対応します。ただし、EVF-21とHU-21は同時使用できません。また、初代fp用アクセサリーの多くは互換性がないため、既存のfpユーザーは注意が必要です。SmallRigからはFP2用のハンドグリップとケージが発売されています。
CIPA基準のバッテリー持ちは静止画約370枚または動画130分です。初代fpの280枚から約30%改善されています。これはあくまで公式値ですが、実撮影ではCIPAの数値より長く使える可能性があります。Christopher Frostは、寒いアイスランドで撮影し、バッテリー2個だけで約1,500枚の写真と一部動画を撮影できたと報告しています。ただし、これは特定の条件での一人のテスターによる結果です。保証値ではなく、参考データとして受け止めてください。BP-91バッテリーはPanasonic BLK-22と互換性があるため、すでにLUMIXのフルサイズ機を使っている人には便利です。
STILL/CINEスイッチによってインターフェースが明確に分かれており、Amateur Photographerは各モード内での操作を「わかりやすく、複雑ではない」と評価しています。PetaPixelもメニューシステムを「直感的に使える」「これまで使ったものより優れている」と評していますが、コマンドダイヤルの操作に慣れるまでは十字キーでの移動が遅く感じられるかもしれません。タッチスクリーンの機能は限定的です。Amateur Photographerによれば、撮影中のAFエリア設定と再生時の画像閲覧はできますが、「ほぼそれだけ」です。互換性については、Lマウントにシグマ、Panasonic、ライカのレンズを装着できます。Wi-FiやBluetoothはないため、ファイル転送にはUSB-Cケーブルが必要です。接続するとカメラがドライブとして認識されます。HU-21使用時のフラッシュ同調速度は1/50秒です。専用ヘッドホン端子もないため、音声モニタリングにはUSB-Cヘッドホンまたはアダプターを使う必要があります。
トレードオフは明快です。旅行、ストリート、ジンバル、三脚撮影向けの小さなフルサイズ機が欲しいなら、FP2の長所はかなり魅力的に映るでしょう。一方、暗所で手持ち撮影をする人、フラッシュを多用する人、内蔵EVFが必要な人は、これらの割り切りが大きな不満になる可能性があります。
プロレビューでは、画質と携帯性についておおむね高く評価されています。一方で、IBIS、メカニカルシャッター、ホットシューがない点については、ほぼ一貫して批判されています。ユーザーの反応はより分かれています。フォーラムでは、「手ブレ補正なし、メカニカルシャッターなし、ホットシューなし。今回もそうなんだよね?」というコメントが広く支持されたと報告されています。操作性についても、「ボディは小さいけれどレンズは小さくないので、全体のサイズはそれほど小さくならず、グリップの快適性もひどい」という不満が見られます。一方、コンパクトなサイズ、画質、初代fpからの改善点を評価するオーナーも少なくありません。FP2は初代の大きな不満だったバッテリー、画面、オートフォーカスを改善しましたが、根強く残った欠点も3つあります。発売からまだ日が浅いため、長期的な信頼性データは十分ではありません。故障率や、何年も使用した場合の防塵・防滴性能については、現時点では判断できません。
Sigma FP2は、何でもこなす万能カメラではなく、用途のはっきりした専門ツールです。フルサイズ画質、6Kオープンゲート動画、70GBの内蔵ストレージを、本当に小さなバッグに入るボディに詰め込んでいます。オートフォーカスとバッテリー持ちは初代fpから大きく進化しました。しかしその代わりに、ボディ内手ブレ補正、メカニカルシャッター、内蔵ビューファインダー、ホットシューを手放す必要があります。明るい環境で撮影する旅行・ストリートフォトグラファーや、ジンバル・三脚を使う動画ユーザーにとって、FP2のサイズとモジュラー性は非常に魅力的です。手持ちでの暗所性能、フラッシュ同調、従来型のEVFが必要なら、別のカメラを探したほうがいいでしょう。Sigma FP2が自分の撮影機材に合うか確認したいですか?このページのディールボタンから、現在の販売価格を比較できます。質問があれば下のコメント欄にどうぞ。BIKMAN TECHのガイドを読んでいただき、ありがとうございました。コンパクトなフルサイズカメラを探している友人にも、ぜひシェアしてください。
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